高齢者の徘徊リスクが高まる時間帯や場所

高齢者が徘徊するのは、認知症や脳疾患に起因する行動であり、特定の時間帯や場所でより頻繁に起こる傾向がある。まず、夕方や夜間が徘徊が起こりやすい時間帯とされている。これは、夕暮れ時や夜間になると高齢者の日中の活動量が減少し、不安や混乱が増えることが一因という説もあるようだ。また、夜間は暗くなり、環境の変化や視覚的に刺激が減少することも、高齢者の混乱を引き起こす要因になっているといわれている。場所に関しては、高齢者が日常生活で習慣的に訪れる場所や過去に関連のある場所が、徘徊の発生しやすい場所となる。施設に入所している高齢者は外への徘徊リスクが多少は抑えられるかもしれないが、必ずしも発生しないとは言い切れない。そのため、介護施設で働く介護者も気を抜いてはならない。

徘徊をする高齢者は、自宅や以前の勤務先、学校、買い物に行く場所など、日常的な生活の中で重要な役割を果たしていた場所に引き寄せられる傾向がある。これは、認知症や脳疾患による記憶の混乱や、過去の情報への執着が影響しているためだと考えられている。さらに、公共の場や交通機関も高齢者の徘徊が起こりやすい場所といえる。高齢者が外出した際には、駅やバス停、公園、商業施設などで迷子になる可能性がある。これは、大勢の人や刺激、不慣れな環境による混乱や興奮が原因となることが多い。徘徊が起こりやすい時間帯や場所に関しては、高齢者の個別の状況や特性によっても異なる場合がある。このように、高齢者の行動パターンや傾向を把握することは、介護者ができる高齢者の徘徊予防の一つといえる。